乱視でもICL手術は受けられる?仕組みや対応できる乱視、回転リスクまで解説

「乱視があるとICL手術は受けられない」と思っていませんか?
ICLには、近視だけでなく乱視も同時に矯正できる「乱視用ICL(トーリックレンズ)」があります。乱視の種類や度数によって適応は異なりますが、乱視があるだけでICLを諦める必要はありません。
乱視でもICL手術を受けられるのか、トーリックレンズがどのような仕組みで乱視を矯正するのか、矯正しやすい乱視・難しい乱視の違い、レンズが回転するリスクとその対策、八王子友愛眼科の保証制度までをわかりやすく解説します。
目次
【結論】乱視でもICL手術は受けられます

乱視がある方でも、ICL手術を受けられます。
ただし、乱視の種類や強さ、角膜の形、目の状態によっては、ICLだけで十分に矯正できない場合もあります。手術を受けられるかどうかは、事前の精密検査で確認しましょう。
次の章では、トーリックレンズがどのような仕組みかについて解説します。
乱視用ICL「トーリックレンズ」の仕組み

トーリックレンズは、近視と乱視を1枚のレンズで矯正できる眼内レンズです。乱視の度数だけでなく、乱視軸に合わせてレンズを配置する点が、通常の近視用ICLとの大きな違いです。
近視と乱視を1枚のレンズで同時に矯正できる
通常のICLは、主に近視によるピントのズレを補正します。
トーリックレンズには近視によるピントのズレに加えて、乱視を補正する度数が組み込まれているため、1枚のレンズで近視と乱視を同時に矯正できます。手術の基本的な流れは通常のICLと大きく変わりませんが、トーリックレンズではレンズの向きを正確に合わせる工程が加わります。
乱視の方向に合わせてレンズの角度を調整できる
トーリックレンズの効果を十分に得るには、患者さんの乱視軸とレンズの軸を合わせることが重要です。
手術では、事前に測定したデータをもとに、レンズを適切な角度まで回転させて配置します。術後にレンズが回転すると軸がずれ、乱視の矯正効果が低下する場合があります。
検査結果に合わせてレンズを選定できる
ICL手術では、近視や乱視の度数、乱視軸、目の中のスペースなどを測定し、その結果をもとにレンズを選びます。
トーリックレンズでは度数と軸の組み合わせが多いため、通常の近視用ICLよりレンズ選定が複雑です。レンズの種類や在庫状況によっては、取り寄せに時間がかかる場合もあります。手術時期に希望がある方は、余裕をもって適応検査を受けましょう。
眼鏡や乱視用コンタクトレンズで視力を矯正できている方は、ICLでも乱視を矯正できる場合がありますが、実際の適応は検査を受けて確認しましょう。
「乱視があるからICLを受けられない」とは限らない
「自分の乱視は強いから、きっと手術は無理だろう」と思い込んでいる方もいるかもしれませんが、
八王子友愛眼科では、強い近視や乱視に対するICL治療を行っています。
乱視の原因が角膜の不規則な変形などにある場合はICLが適さないこともありますが、それも含めて検査をしてみないとわからないのが実情です。気になる症状がある方は、まず目の状態を詳しく調べることから始めてみましょう。
ICLで矯正しやすい乱視と難しい乱視

乱視は、大きく「正乱視」と「不正乱視」に分けられます。それぞれどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
「正乱視」とは

正乱視とは、角膜や水晶体のカーブが一定の方向にゆがんでいる状態です。
ラグビーボールのようなゆがみがあると、目に入った光が網膜上の1点に集まりにくくなり、文字や物の輪郭がぼやけたり、二重に見えたりします。
正乱視は、角膜や水晶体のゆがみが一定の方向にそろっているため、ゆがみの向きと強さを測定し、その向きに合わせてトーリックレンズを配置することで矯正できます。このゆがみの向きは、医療用語で「乱視軸」と呼ばれます。眼鏡や乱視用コンタクトレンズで矯正できている乱視は、ICLの対象になる可能性があります。
「不正乱視」とは

不正乱視とは、角膜の表面が不規則にゆがみ、目に入った光がきれいに1点に集まりにくい状態です。円錐角膜などの角膜疾患や、目のけが、手術後の変化などが原因で起こる場合があります。通常のコンタクトレンズの使用で、不正乱視になるわけではありません。
なお、角膜が複雑にゆがんでいる不正乱視には、基本的にはトーリックレンズは適応しません。
ICL乱視矯正の度数範囲と限界
ICLの適応を判断するときは、乱視の種類だけでなく、乱視の強さ(度数)も確認します。
ICLは、おおむね0.5D〜5.0D程度の乱視を矯正できるように設計されており、多くの方が治療の対象になります。ただし、6.0Dを超えるような強い乱視では、使用できるレンズや手術後のレンズの安定性などを確認しながら、より慎重に適応を判断する必要があります。
国内で承認されているトーリックレンズは+4.5Dまでですが、目の状態によっては+6.0Dまでのレンズを製作できる場合があります。+4.5Dを超えるレンズは国内未承認となるため、使用する場合は医師から十分な説明を受けたうえで検討します。
八王子友愛眼科では、これまでに自覚検査で-8.00Dの強い乱視が確認された方に対して、ICL治療を行った実績があります。強い乱視だからといって、必ずしもICLを受けられないわけではありません。
また、検査で同じ乱視度数が測定された方でも、必要となるレンズの度数は一人ひとり異なります。たとえば、-5.00Dの乱視があっても+4.5Dのレンズで十分な矯正効果が期待できる場合もあれば、未承認レンズを検討する場合もあります。
そのため、「乱視がどのくらいの程度だから、ICLを受けられる・受けられない」と度数だけで判断することはできません。精密検査の結果を専用ソフトで解析し、目の状態に合ったレンズや治療方法を医師と確認することが大切です。
まずは医師の診察を受けたうえで、自分に合った方法を一緒に見極めていきましょう。
乱視用ICL「トーリックレンズ」のリスク
トーリックレンズには、近視と乱視を同時に矯正できるメリットがある一方、通常のICLと同じ合併症に加えて、乱視用レンズ特有の「回転」にも注意が必要です。術前に、リスクと対応方法を確認しておきましょう。
レンズが回転することがある

トーリックレンズは乱視軸に合わせて配置するため、術後にレンズが回転すると矯正効果が低下する場合があります。
レンズがずれると、以下の症状が現れることがあります。
- 文字が二重に見える
- 輪郭がぼやける
- 光がにじむ
- 以前より見えにくく感じる
ただし、術後すぐに見え方の変化を感じたとしても、それが必ずレンズの回転を意味するわけではありません。眼内のスペースとレンズサイズの適合や、レンズが安定するまでの経過、手術時の位置や角度なども関係します。
また、回転の原因を「目をこすったから」などと安易に断定することもできません。定期検診でレンズの位置や視力を確認し、見え方が急に変わった場合や違和感が続く場合は、自己判断せずに速やかに受診しましょう。
矯正しきれなかった乱視が残る場合がある
手術を受けても、乱視が完全になくなるとは限りません。
「乱視が戻る」というよりも、術前からある細かな乱視が十分に矯正されずに残ったり、レンズの軸がわずかにずれることで矯正効果が弱まったりするケースが考えられます。
術後に見えにくさが残るときは、視力や乱視度数だけでなく、レンズの位置も確認します。状態によっては、レンズの位置調整や交換も検討されます。
眼圧上昇・白内障など術後合併症
ICLは眼内にレンズを挿入する手術のため、以下の合併症が起こる場合があります。
- 眼圧の上昇
- 白内障の進行
- 感染症
- 角膜内皮細胞への影響
- ハロー・グレア(光のにじみやまぶしさ)
現在使用されているEVO ICLには中央に約0.36mmの小さな穴(中央孔)があり、房水(ぼうすい)がレンズの中央を通って流れる設計です。従来型で必要だった術前の虹彩切開を行わずに済む仕組みで、長期経過においても安全性や有効性を検討した報告があります。
乱視用のトーリックレンズにも同様の中央孔が設けられています。発生頻度は高くありませんが、変化を早期に見つけるため、術後も定期検診を継続しましょう。
八王子友愛眼科の軸合わせと術後の保証について

手術を視野に入れるうえで、相場や費用の内訳、保証制度の有無は事前に把握しておきたいところです。ICLは自由診療のため、費用の内容を理解しておくことが納得感につながります。
ここでは、手術にかかる費用の目安や含まれている内容、保証制度の特徴までを整理して解説します。
ICL乱視矯正の費用相場と内訳
ICL乱視矯正の費用は、両眼でおおよそ50万〜80万円が目安とされています。乱視の有無によって大きな差が出ることは少なく、通常のICL手術と同様の価格設定を行っているクリニックもあります。
費用には、術前検査、レンズ代、手術費、術後検診費などが含まれることが一般的ですが、強度の乱視や海外製の特注レンズを使用する場合などは、追加費用が発生するケースもあります。
費用の詳細が事前に明示されているかどうかは、治療を受けるうえでおさえておきたいポイントです。
ICL手術にどれくらいの費用がかかるか知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

保証期間中に受けられるサポート内容
乱視用ICL手術は自由診療であるため、術後のサポート体制や保証内容はクリニック選びの重要なポイントです。多くのクリニックでは、術後の経過をサポートするための保証制度を導入しています。
当院では、手術費用に術前〜術後の検査・ケア・保証がすべて含まれており、両眼で56万円(税込)〜と明確な料金体系を採用しています。術後サポートでは、半年間は術後検診・点眼薬などの費用が無料で、万が一のレンズ交換も6ヶ月以内であれば無償です。
さらに、乱視用ICLを使用した場合は、レンズの軸ずれに対して1年間無料で再手術を受けられる保証がついています。保証期間やサポート内容を明確に定め、術後の相談や必要な対応を受けられる体制を整えています。
もし、位置調整が必要になった場合も安心して対応できる体制を整えています。

乱視用ICLに関するよくある質問
ここからは、乱視用ICLについてよくある疑問にお答えします。
近視と乱視がある場合は必ず乱視用ICLになりますか?
必ずしもトーリックレンズを使用するわけではありません。
乱視が軽度で、通常のICLでも日常生活に十分な視力が期待できる場合は、近視用ICLを選択することがあります。どちらのレンズが適しているかは、乱視の度数だけでなく実際の見え方や検査結果から判断します。
強い乱視でもICLを受けられますか?
対応できる度数の範囲内であれば、ICLも選択肢になります。
一方で、乱視の種類や角膜の状態によっては適応外になることもあります。「強い乱視だから受けられない」とは限らないため、度数だけで諦めず、まずは適応検査を受けて確認しましょう。
トーリックレンズが回転する確率はどのくらいですか?
回転の定義や再調整が必要となる基準は状況によって異なるため、一概に確率で示すのは難しいところです。また、回転する可能性はゼロではありません。
ただし、近年の研究では、多くの症例で良好な回転安定性が報告されています。見え方への影響がある場合は、レンズの位置調整を検討します。
ICL手術後に乱視が戻ることはありますか?
ICLは角膜をレーザーで削る治療ではないため、削った角膜の変化によって乱視が戻るという仕組みではありません。
ただし、レンズの回転や度数変化によって乱視が残る場合や、加齢による水晶体や目の変化が見え方に影響することはあります。「後戻りは原則ない」と断定はできないため、「乱視が戻った」と感じたときは、原因を確認するために検査を受けましょう。
乱視用ICLの取り寄せにはどのくらいの期間かかりますか?
レンズの度数や在庫状況によって異なりますが、目安として2週間〜2か月程度かかります。製造が必要なレンズの場合は、さらに時間を要することもあります。
適応検査を受けたからといって、すぐに手術できるとは限らないため、手術を希望する時期が決まっている方は、余裕をもって適応検査を受けておきましょう。
将来、白内障手術を受けることはできますか?
ICL手術を受けたあとでも、将来的に白内障手術を受けることは可能です。必要に応じてICLを取り出したうえで、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する方法が検討されます。
将来ほかの眼科を受診するときは、ICL手術を受けたことを担当医へ伝えましょう。
ICLで乱視を矯正したい方は無料適応検査へ
ICLでは、トーリックレンズを使って近視と乱視を同時に矯正できる可能性があります。主な対象となるのは正乱視で、不正乱視や角膜疾患がある場合は、ICLだけでは十分に矯正できないこともあります。トーリックレンズにはレンズ回転のリスクがあり、術後の見え方によっては位置調整が必要になる場合もあります。
自分の乱視がICL手術に向いているかどうかは、度数だけでは判断できません。当院では無料の適応検査を行っています。ご自身の目の状態を確認するためにも、乱視がある方はまず適応検査をご利用ください。ご予約はお電話、Web予約、LINEにて承っております。
参考文献
- 日本眼科学会:屈折矯正手術のガイドライン(第8版)
https://www.nichigan.or.jp - Chen X, et al.:Effect of long-term rotation on astigmatism following EVO-toric intraocular collamer lens implantation
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37521343/ - Shimizu K, et al.:Long-Term Comparison of Posterior Chamber Phakic Intraocular Lens With and Without a Central Hole Implantation for Moderate to High Myopia and Myopic Astigmatism
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27057883/ - Alfonso-Bartolozzi B, et al.:Ten-year follow-up of posterior chamber phakic intraocular lens with central port design in patients with low and normal vault
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38085219/ - Wannapanich T, et al.:Intraocular Implantable Collamer Lens with a Central Hole Implantation: Safety, Efficacy, and Patient Outcomes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36998514/
| 八王子友愛眼科は、医療法人社団インフィニティメディカルが運営する3つのクリニックのひとつです。グループには、八王子友愛眼科・武蔵野友愛眼科・湘南友愛眼科の3院があります。 ICLの無料適応検査は、八王子友愛眼科に加えて湘南友愛眼科でも実施しています。ご希望のクリニックまで、お気軽にご連絡ください。 八王子友愛眼科 ※ICL無料適応検査 実施中 〒192-0081 東京都八王子市横山町22−3 メディカルタワー八王子 6F ▶Googleマップで開く 湘南友愛眼科 ※ICL無料適応検査 実施中 〒254-0012 神奈川県平塚市大神8丁目1−1 THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA 1214区画 ▶Googleマップで開く 武蔵野眼科 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1丁目24−15 メディパーク中町 4F ▶Googleマップで開く |
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杏林大学医学部眼科学教室非常勤講師
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日本涙道・涙液学会理事
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日本眼科学会プログラム委員
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南多摩眼科医会副会長
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