屈折矯正

はじめに

当院では、多焦点眼内レンズ・ICL・IPCL・オルソケラトロジーなど、さまざまな屈折矯正治療をおこなっております。
患者様それぞれの年齢やライフスタイル、価値観、生活環境などを考慮し、お一人おひとりに適切な治療をご提案いたします。
屈折矯正治療は費用も高額なものが多いですが、これまでの生活では必須だった『ピントが合わない距離を見るときには眼鏡やコンタクトレンズを使う』という煩わしい作業をグンと減らすことができ、QOLの大きな向上が見込めます。
最先端のデバイスをご用意し、豊富な経験と実績のある眼科専門医が診察と執刀を担当いたしますので、治療に興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

IPCLとは?

IPCL(Implantable Phakic Contact Lens)はEyeOL社が販売する後房型の有水晶体眼内レンズで、水晶体を残したまま眼の中にレンズを挿入することで、近視や乱視などの屈折異常を矯正します。ここまではICLと同じですが、IPCLの最大の特徴は、レンズのラインナップに老眼治療ができる多焦点レンズ(Presbyopic IPCL V2.0)があるということです。

40歳以上の方の場合、LASIKやICLを受けて遠方がしっかり見えるようになると、近くはどうしても老眼の影響が避けられません。しかし、多焦点IPCLを選択することで、遠方視の改善に加え老眼への対応も可能になります。
ICLと同様に、何かあった場合はレンズの交換や摘出が可能です。度数の変化への対応や、目を元の状態に戻すことも可能で、将来白内障などの手術をおこなう際にも心配は要りません。

IPCLは自由診療となります。2024年7月現在国内未承認のレンズですが、ヨーロッパにおいて一定の品質基準をクリアした証であるCEマークを取得しており、治療の安全性が確立されています。

手術に適している方

・眼鏡やコンタクトで老眼が気になり始めた方
・強度の近視や乱視のある方
・眼鏡やコンタクトがわずらわしい方
・裸眼で生活したい方
角膜が薄くて屈折矯正手術ができないと言われてきた方

など

5つの特徴

1.4つのレンズタイプ、幅広い矯正範囲とレンズサイズ

IPCLは近視・遠視・乱視・老視が矯正できるレンズです。
単焦点・単焦点トーリック(乱視用)・多焦点・多焦点トーリック(乱視用)の4つのレンズタイプがあり、レンズの度数範囲も近視・遠視が+0.5D~-30.0D、乱視は+0.5D~+10.0D、老視は+1.0D~+4.0Dと広範囲ですので、様々な年齢の方に対応が可能です。(※)
レンズサイズは11.00mm~14.00mm(0.25mm刻み)で、患者様お一人おひとりに最適なレンズを作成でき、術後のレンズの位置ズレのリスクを最小限に抑えることが可能です。レーシックでは適応外となる「角膜厚の薄い方」「角膜形状不正の方」も、IPCLなら治療の適応となる場合があります。
※多焦点トーリック(乱視用)は、矯正範囲が上記と異なります。
※当院では遠視の矯正はおこなっておりません。

1.4つのレンズタイプ、幅広い矯正範囲とレンズサイズ

2.質の高い見え方

「ハイブリット親水性アクリル」という素材を採用したことにより、タンパク質などの粒子がレンズに付着しにくく、また「エクセレントクリアーサーフェイス」という新しい技術によりスムーズでクリアな表面構造をしているため、見え方の質が高いことが証明されています。
角膜を削ることなく、眼の中に入れたレンズで屈折異常を矯正するため、長期間にわたり色鮮やかでシャープな見え方を実感できます。また、レーシック術後の一部の患者様にみられるような近視の戻りはありません。

IPCLの場合

IPCLの場合

角膜を削り収差が増えた場合

角膜を削り収差が増えた場合

3.先進的なレンズ設計

眼の中でレンズを安定して固定するために、IPCLは6つの支持部を持つ構造をしています。
さらに、IPCLのレンズには房水の循環を促進する7つのホール(穴)が設置されており、白内障や緑内障の発症予防に配慮された設計で安全性を向上させています。
従来の眼内コンタクトレンズにはこの穴がなく、眼圧の上昇を抑えるために術前もしくは術中に虹彩切開という処置が必要でしたが、改良によりホールを備えたことで虹彩切開なしでも房水の流れが良好に維持され、術後合併症のリスクや患者様の目の負担を大幅に軽減できるようになりました。(ただし、球面度数+4.00~+15.00Dのレンズはセントラルホールと呼ばれる中央の穴を備えていないため、虹彩切開が必要となります)

3.先進的なレンズ設計

4.術後合併症や夜間の見えにくさの軽減

IPCLは切開創が小さい(2.8mm程度)ため、術後ドライアイなどの合併症のリスクを軽減します。角膜を削らないので、角膜の形状変化による術後の不正乱視などを抑制でき、長期間良好な裸眼視力を保つことができます。
老眼用の多焦点IPCLを選択した場合、「遠方から近方まで光を配分する」という多焦点レンズの性質上、若干のコントラスト感度低下と暗所でのハロー・グレア(※)の発生がみられますが、単焦点レンズに比べて明視域(見える範囲)が広くあるため、老眼鏡なしでの手元の見え方を大幅に改善させることができます。
多焦点IPCL(Presbyopic IPCL V2.0)においては、遠方に50%、近方に30%、中間に20%という割合で光エネルギーが配分されます。中央部から周辺部にステップ高が低くなる特殊構造により、光エネルギーのロスが10%ほどで済み、ハロー・グレアの発生が最小限に抑えられています。
※ハロー:夜間、車のヘッドライトなどを見たときに光の周りににじんだ輪が見える現象
※グレア:ギラギラと光ってとてもまぶしい症状

5.長期安定性

IPCLは2014年にV1.0が発売され、次いで2017年にセントラルホールが空いたモデルのV2.0が発売されました。V2.0はヨーロッパでCEマークを取得しており、全世界40ヶ国以上で10万件以上の使用実績があります。(日本では2015年より使用実績があります)
生体適合性の高いレンズ素材で出来ているため、目の中に長い間インプラントしておくことが可能です。また、前述のとおり、いずれ何らかの目の手術が必要になった場合には、目の中から安全に取り出すこともできます。

適応検査から手術までの流れ

適応検査

予約制となりますので、事前にお問い合わせください。まず、簡単なスクリーニング検査を受けていただきます。検査結果を確認し手術適応であれば、手術前検査の日程をご相談させていただきます。
当院の定める期間、適切にコンタクトレンズを外していただければ、手術前検査を同日に行うことも可能です。

手術前検査

眼内コンタクトレンズ(IPCL)が安全に施術できるかどうかの検査を実施します。
視力や屈折異常、角膜、白内障、緑内障、網膜疾患の有無などを細かく丁寧に検査します。手術前検査には2時間半から3時間程度お時間を要します。

コンタクトレンズを検査の前に一定期間外しておいていただく必要があります。

ハードコンタクトレンズ: 適応検査1週間前から
ソフトコンタクトレンズ: 適応検査24時間前から

ただし、乱視用(トーリック)ソフトコンタクトレンズは3日前からになります。

コンタクトレンズ装用中は、角膜を圧平するため、近視・乱視・眼球の状態が一時的に変形しています。
術後視力不良を防ぐために大切なお願いです!
検査終了後から手術までの期間は、コンタクトレンズを使用できます。

診察とカウンセリング

検査が終了したら、再度診察をさせていただきます。
手術が安全に施行できると判断したら、担当者によるカウンセリングを受けていただき、施術日などを決定していきます。
すべての検査、診察が終了したら、レンズを発注します。
IPCLはレンズが届くまで2ヶ月程度お時間がかかります。
手術日まではコンタクトレンズの使用は可能です。

眼内コンタクトレンズ(ICL・IPCL)の比較

ICL IPCL
矯正範囲 近視 -3.0D ~ -18.0D
乱視 +1.0D ~ +4.5D
近視 +0.5D ~ -30.0D
乱視 +0.5D ~ +10.0D
老視 +1.0D ~ +4.0D
老眼対応 ×
レンズ納期 早い 遅い
紫外線ブロック
安定性
元に戻せる

手術方法

点眼タイプの麻酔をして、角膜を3mmほど切開します。
専用の機械を使用して小さく折りたたまれたレンズ(IPCL)を挿入します。
挿入後、レンズは眼の中でゆっくり広がります。
広がったレンズを虹彩の下に入れてレンズを固定し、手術終了です。
切開部分は非常に小さな傷ですので、縫合の必要はなく、創口はすぐに塞がり自然治癒します。

3mmの切開創から
挿入します。

眼内で
ゆっくり広がります。

支持部を虹彩の後ろに挿入します。

2.8mmの切開創から挿入します。

眼内でゆっくり広がります。

PHONE

支持部を虹彩の後ろに挿入します。

PHONE
PHONE

執刀医

執刀はICLのインストラクターでもある理事長の今野が担当いたします。

手術後の定期検査、生活について

手術の翌日は大切な診察です。
必ずお越しください。

その後は経過により医師の判断で診察日をご案内させていただきます。
基本的には手術翌日、1週間目、1ヶ月目が術後検査の目安です。

まぶたは触らずこすらないようにご注意下さい。

<シャワー>     
手術翌日より首から下のシャワーが可能です。

<洗髪、入浴>
術後2~4日目より可能です。
※1週間は目に水が入らないように注意してください。
まぶたをゴシゴシこすったり、目を強く押さないように注意してください。

<カラーコンタクト>
術後2週間目より装用可能です。
術後の経過によっては2週間目以降も装用ができない場合もあります。
※術後2週間目より前に装用のご希望がある場合は、別途執刀医とご相談ください。
 
<化粧>  
眼のまわり以外は術後3日目より可能です。
アイメイク・ビューラー
まつ毛エクステンション・まつ毛パーマは
術後1週間目より可能です。

<仕事>   
手術日を含めて2日間安静にお願いします。

<点眼薬>
術後は2種類の点眼薬をしばらく使用していただきます。
大切な薬になりますので医師の指示通りにご使用ください。

<就寝時姿勢>
できるだけ仰向けでお休みいただき、必ず保護用ゴーグルを手術後1週間は装用して下さい。
うつ伏せ姿勢はお控え下さい。

<運転> 
術後1週間目より可能ですが、視力が回復・安定するまではお控えください。
夜間は車の対向車のライトがまぶしく感じる可能性もありますので、注意しながら始めてください。

※手術前に運転免許証の条件欄に「眼鏡等」とある場合には限定解除の申請が必要です。
手術後に視力が回復していても限定解除せず、眼鏡やコンタクトレンズを装用していないと
減点・反則金の対象となる場合があります。  (-2点減点・罰金7000円)
まずはお近くの警察署にお問い合わせください。

IPCL手術後の生活について
まぶたは触らず擦らないようにご注意ください!

美容室カット・パーマ・カラーリング等は術後1週間目より可能です。

シャワー 手術翌日より首から下のシャワーが可能です。
洗髪 術後2〜4日目より可能です。
※1週間は目に水が入らないように注意してください。
※まぶたをゴシゴシ擦ったり、目を強く押さないように注意してください。
サウナ・温泉 術後2週間目より可能です。
化粧 眼の周り以外は、術後3日目より可能です。アイメイク・ビューラーは、術後1週間目より可能です。
まつ毛エクステンション・まつ毛パーマは、術後1ヶ月目より可能です。
美容室 カット・パーマ・カラーリング等は術後1週間目より可能です。
ひげ剃り 術後1日目より可能です。
食事 特に制限はありません。
飲酒 炎症が強くなることがありますので、術後3日目までは禁酒です。
喫煙 術後3日目より可能です。(目に煙がしみるようでしたら控えてください。)
仕事 手術後を含めて、2日間安静にお願いします。
テレビ・読書 術後1日目より可能ですが、目に負担がかからないようにしてください。
運動 3日〜1週間は控えてください。
ランニング・ジム・ゴルフは1週間目より可能です。
球技(野球・サッカー・テニスなど)・水泳・スキューバダイビング・ウィンタースポーツは1ヶ月目より可能です。
格闘技は術後も禁止となっていますのでご注意ください。
旅行 国内旅行は、術後1週間目より可能です。
海外旅行は、目の経過にもよりますので担当医とご相談ください。
運転 術後1週間目より可能ですが、視力が回復・安定するまでは控えてください。
夜間は車の対向車のライトなどが眩しく感じる可能性がありますので、注意しながら始めてください。
※手術前に運転免許証の条件欄に「眼鏡等」とある場合には、限定解除の申請が必要です。手術後に視力が回復していても限定解除せず、眼鏡やコンタクトレンズを装用していないと、減点・反則金の対象となる場合があります。
(-2点減点・罰金7000円)まずはお近くの警察署にお問い合わせください。
就寝時姿勢 出来るだけ仰向け姿勢でお休みください。うつ伏せ姿勢は控えてください。
必ず、保護用ゴーグルを手術後1週間は装用してください。
外出時 サングラス・ゴーグル・眼鏡などを必要に応じて使用してください。
点眼薬 手術後は担当医の指示通りに使用してください。
※他院から処方されている点眼薬については、診察時担当医へご確認ください。

IPCL術後の利点

QOLの向上

【眼科へ行く】【コンタクトの異物感】【コンタクトの手入れ】など眼に関する生活の様々な手間が解消され、時間の節約ができます。裸眼生活を取り戻すことで、QOLの向上が期待できます。またコンタクトレンズ用品などの費用も削減されますので、経済的効果もあります。

日帰り手術で仕事の早期復帰が可能

IPCL手術は入院の必要がない日帰り手術です。
手術当日は霞んではっきり見えませんが、お付き添いの必要はなくお一人で帰宅可能です。翌日にはかなり鮮明に見えるようになりますので、デスクワークなど事務系の仕事は、術後2日目から復帰可能です。

紫外線ブロック

レンズに紫外線吸収剤が含まれているため、紫外線A波・B波をカットする機能もあります。(サングラスの代わりにはなりません)

災害時の安心感

災害時はただちに避難が必要です。ときにはコンタクトレンズや眼鏡を探す時間すらないこともあります。緊急事態に目が見えないと、普段の生活以上に様々な不都合が予測されます。東日本大震災では、救援物資の中で眼鏡の到着が一番遅かったといわれています。ですが、IPCL手術を受けて裸眼で見えるようになれば、緊急時でも安心です。

その他

手術費用と保証

費用について

適応検査費は無料です。
IPCL費用には、手術前検査、診察料、手術当日費用、術後の点眼薬などの薬剤費、術後6ヶ月目までの検診費が含まれます。
IPCL手術をお申込みいただく際は、①手術前検査費、②レンズ発注手数料をお預かりいたします。
①②は前払い金(保証金)として充当し、手術当日は手術費用総額から①②を差し引いた金額をお支払いいただきます。
手術をキャンセルされた場合、お支払いいただいた①②の費用の返金はできません。
自由診療のため公的医療保険は対象外ですが、医療費控除の対象になります。

保証について

術後に主治医からレンズ入れ替えが必要と判断された場合は、6ヶ月以内は無料となります。それ以降は有料です。
また、乱視用レンズの軸補正は1年間無料となります。

追加治療の可能性

手術後まれに追加治療が必要となることがあります。
レンズ度数やサイズが合わなかった場合、手術室でレンズの交換が必要です。
また、乱視用レンズの場合には乱視軸がずれることがまれにあります。こちらの場合も、手術室での乱視軸の合わせなおしが必要になることがあります。

ハロー・グレア・光の輪

手術直後は、ハロー・グレア・光の輪を感じる方もいらっしゃいます。この症状は術後1ヶ月程度経過するとほとんど気にならなくなります。

手術時期

IPCLは検査終了後にレンズ発注を行います。完全オーダーメイドのレンズで、発注後レンズの到着まで2ヶ月ほどかかりますので、スケジュールに余裕をもって手術をお申し込みください。

よくある質問

近視矯正方法には、レーシック( LASIK )の他にオルソケラトロジーがありますが、違いや特徴を教えて下さい。

A. 簡単に説明すると、オルソケラトロジーは夜間にコンタクトレンズを装着して寝て日中にコンタクトレンズなしで生活する矯正方法です。効果は一時的なので、装用を中止すれば、元に戻ってしまいます。また、コンタクトレンズを使用する矯正方法なので定期的な検査を受け続ける必要があります。

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