乱視のある方必見｜ICL手術で矯正できる？適応と注意点を専門医が解説

「ICLは近視だけでなく、乱視にも対応できるの？」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ICLでの乱視矯正は、眼内に専用のレンズを挿入することで、角膜を削らずに乱視矯正できる治療法です。特に「レーシックには不安がある」「乱視が強くて眼鏡やコンタクトでは満足できない」と感じている方にとって、有力な選択肢の一つです。

本記事では、ICLでの乱視矯正の基本的な仕組みから適応条件、術後のリスクや費用、レーシックとの違いまで、幅広くわかりやすく解説します。ICLを検討している方がして納得できるよう、専門的かつ中立的な視点で情報をお届けします。

記事の最後では、無料で受けられる適応検査の案内もご紹介していますので、ぜひご覧ください。

ICLでの乱視矯正とは？基本情報を整理

「ICL手術で乱視も矯正できるのか」と疑問に感じている方も少なくありません。

本項では、ICLがどのような治療法かを説明するとともに、乱視への対応や種類・特徴についても整理し、治療を検討するうえで知っておきたい基本的な情報を紹介します。

ICLとは？乱視に対応できる仕組み

ICL（眼内コンタクトレンズ）は、眼の中に専用レンズを挿入し、視力を矯正する治療法です。角膜を削る必要がなく、近視・遠視のみならず乱視にも適応できるのが特長です。

乱視の矯正では、「トーリックレンズ」と呼ばれる、乱視の軸に合わせて設計されたレンズを使用します。これにより、光の屈折のズレを補正し、よりクリアな視界が期待できます。

乱視とは？正乱視と不正乱視の違い

乱視とは、角膜や水晶体のゆがみによって光が一点に集まらず、像がぼやけて見える状態です。縦や横の線がゆがんで見えたり、夜間に光がにじむように感じたりすることもあります。

乱視は大きく「正乱視」と「不正乱視」の2つに分けられます。正乱視はゆがみの方向が一定で、眼鏡やICLなどで矯正可能です。一方、不正乱視は角膜の形状が不規則なため、ICLでは難しい場合があります。

自身の乱視タイプを正しく把握することは、治療法を判断するうえで欠かせない条件です。

ICLでの乱視矯正は誰が対象？適応条件まとめ

ICLでの乱視矯正を検討する際、多くの方が気になるのが「自分が手術の対象かどうか」です。

このセクションでは、ICLで矯正できる乱視の種類や注意すべきケース、乱視の度数範囲など、判断の参考となる基礎情報をまとめています。

ICLでの乱視矯正が適応となるケース

ICLでの乱視矯正は、眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正可能な「正乱視」を持つ方に広く対応しています。角膜の形状が安定しており、視力改善への意欲がある若年層では、選択肢の一つとして候補になることが多い治療法です。

近視や遠視に加えて、軽度〜中等度の乱視を併発している場合でも、トーリックICLを用いれば治療できます。幅広い度数に適合できる点からも、日常生活に支障を感じる乱視に選ばれる傾向です。

適応の可否については、術前の精密検査を通じて、角膜の状態や眼内のスペースなどを総合的に評価したうえで判断されます。

ICLでの乱視矯正に適さないケース

一方で、適応とならないケースもあります。たとえば、不正乱視や進行性の角膜疾患（円錐角膜など）がある場合は、レンズによる補正が難しいとされ、慎重な対応が求められます。

また、眼圧が高い方や白内障の進行が確認されている場合も、他の治療法が優先される症例です。さらに、眼内スペースが狭い、あるいは解剖学的な理由でレンズの挿入が難しいと判断されることもあります。

これらの条件に該当するかどうかを正確に把握するには、術前検査による評価が不可欠です。

ICL乱視矯正の度数範囲と限界

ICLでは、乱視をおおむね0.5D〜5.0Dの範囲で矯正できる設計です。この範囲に当てはまる方が多く、実際には多くの乱視症例において手術対象です。

6.0Dを超える強度乱視では、レンズの設計や挿入後の安定性に課題が生じる場合があります。そのため、多くの医療機関では6.0D前後を一つの目安として、矯正の上限が設定されています。強度乱視に該当する場合、ICL単独ではなく他の治療法との併用や、術後管理を含めて可否が決定されるケースがほとんどです。

八王子友愛眼科では、これまでに-8.00Dの強い乱視（自覚検査）を治療した実績があります。国内で承認されているトーリックレンズは+4.50Dまでですが、+6.00Dまでのレンズ製作も可能であり、その場合は未承認レンズとして扱われます。

たとえば、同じ-5.00Dの乱視でも+4.50Dのレンズで十分な効果が得られる方もいれば、未承認レンズが必要になるケースもあります。適応可否は専用ソフトに精密な検査データを入力して初めて確定できるため、正確な検査と診断が非常に重要です。

まずは医師による診察を受けたうえで、適切な方法を見極めることが大切です。

乱視治療におけるICLとレーシックの違い

視力矯正手術として知られるICLとレーシックには、乱視に対するアプローチや手術の方法、適応となるケースに明確な違いがあります。

ここでは両者の特性を比較し、それぞれの特徴と向いているケースを整理します。ご自身に合った矯正手段を考える際の参考にしてください。

ICLとレーシックの治療特性比較

ICLとレーシックは、いずれも乱視矯正に用いられる治療法ですが、手術の方法や仕組みには違いがあります。

ICLは、眼内にレンズを挿入して視力を矯正します。角膜を削る必要がなく、状況に応じてレンズを取り出せる点がメリットであるほか、ICLのレンズは紫外線をカットしてくれる仕様のため、その分費用は高めです。

一方レーシックは、角膜をレーザーで削って形状を調整する治療であり、一度行うと元に戻せません。レンズを挿入せず、裸眼そのものに治療を施すので、当然紫外線をカットできるわけではありません。ただし、ICLより比較的コストを抑えられる点が魅力です。また、レーシックは角膜を削る代償として角膜知覚神経障害を引き起こし、ドライアイが長期に起こる合併症のリスクもあります。

しかし、ICLはコンタクトの装着から解放されるためドライアイのリスクはなく、むしろ改善が見込まれる点がメリットです。さらに、対応できる乱視の度数についてもICLの方が幅広く、角膜が薄い方やドライアイの傾向がある方にも適応しやすいとされています。

どちらが適しているかは術前検査の結果をもとに、医師と相談して決定する方がほとんどです。

八王子友愛眼科では、現在の屈折矯正治療の主流がICLであることから、まずICLをおすすめするケースが多いです。

ただし、レーシックを否定する立場ではなく、費用やライフスタイル、目の状態に応じて両者の特性を丁寧に説明し、患者さんと一緒に最適な方法を選ぶ姿勢を大切にしています。

ICLでの乱視矯正の流れと注意点

　手術前に全体の流れを把握しておくことで、心構えがしやすくなります。ここでは、検査時の注意点から手術当日の流れ、術後の経過までを時系列で解説します。

手術前検査とコンタクトレンズ中止期間

ICLでの乱視矯正を安全に行うためには、術前の精密な検査が欠かせません。特に乱視の場合、角膜の形状を正確に測定できなければ、適切な度数の設定が難しくなります。

そのため、検査前にはコンタクトレンズの装用を一定期間中止しなくてはいけません。

以下が一般的な中止の目安です。

• ソフトレンズは検査の1週間前
• 乱視用ソフトレンズは2週間前
• ハードレンズは3週間前

これらの検査結果は、手術計画のデータとして使用されるため、医師の指示に沿ってスケジュールを調整しておくことが望ましいです。

ICLでの乱視矯正の手順と所要時間

ICLでの乱視矯正は、日帰りで受けられる短時間の手術です。両眼20〜30分程度で終了し、点眼麻酔を使用して行われます。

手術では、角膜に小さな切開を加えてトーリックレンズを眼内に挿入します。乱視矯正の場合は、レンズを乱視軸に合わせて正確に固定しなくてはいけないため、丁寧な操作や技術が必要です。

術後は院内で15分〜1時間ほど安静に過ごし、その後執刀医の指示があれば検査・診察を実施。もし異常がなければそのまま帰宅できます。当日の流れを事前に知っておくことで、安心して手術に臨みやすくなります。

手術後の経過と視力が安定するまでの期間

術後の違和感は、帰宅する頃には徐々に落ち着いていきます。また、多くの方が手術の直後から見え方の変化を実感する方がほとんどです。ただし、トーリックレンズを用いた乱視矯正では、レンズが完全に安定するまでやや時間を要する場合もあります。

術後の定期検診は、1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月といったタイミングで行うクリニックが多いです。レンズの位置や眼圧、どのような経過があったか診察します。　

視力の安定には個人差があるため、術後は無理をせず医師の助言をもとに日常生活を整えていくことが、良好な視力回復につながります。

ICLでの乱視矯正に伴うリスクと対策

どのような手術にも一定のリスクが伴うように、ICLでの乱視矯正にも注意すべき点があります。トーリックレンズ特有のリスクとしては、レンズの回転や眼圧上昇、白内障の進行などが主な症状です。

ここでは、それぞれのリスクが生じる背景や対応策に加え、術後の安心につながる保証制度の内容についても解説します。

乱視が術後に再発する可能性は？

ICLでの乱視矯正後、乱視が再び現れるケースはまれとされていますが、完全にないとはいえません。トーリックレンズは乱視の軸に合わせて装着しなくてはならず、わずかなズレでも矯正の効果が弱まることがあるからです。

「乱視が戻る」というより、「十分に矯正しきれなかった乱視が残る」「レンズのズレにより効果が不十分になる」といった状況が考えられます。

こうした事態に備え、術後の定期検診でレンズの状態を知っておくことが大切です。状況に応じて、レンズの位置調整や交換といった処置が検討される場合もあります。

レンズ回転リスクと対応方法

トーリックレンズは乱視の方向に合わせて挿入するため、正確な位置への固定が求められます。術後にレンズが回転すると、矯正効果が十分に得られないからです。

回転は術後数日から数週間以内に起こることがあり、その際はレンズのズレを再調整する手術を行う場合があります。レンズサイズが眼内に合っていないことが原因とされる場合は、大きめのレンズへの交換も視野に入れます。

一般的に、レンズは術後約3ヶ月で安定するとされており、それまでは姿勢や衝撃に注意を払うことが重要です。

眼圧上昇・白内障など術後合併症リスク

ICLでの乱視矯正後にごくまれに見られる合併症として、眼圧上昇や白内障の進行があります。

眼圧が上昇すると将来的には緑内障のリスクがあるため、術後は定期的な眼圧のチェックが欠かせません。

また、年齢やレンズと水晶体の接触などにより、白内障の進行が早まるケースも報告されています。発生頻度は高くありませんが、変化を見逃さないためにも、術後の経過観察を継続的に行うことが大切です。

ICL手術における保証制度の内容と重要性

ICL手術を検討するうえで、不安の一つになりやすいのが「術後に見え方が変わったらどうするのか」という点です。八王子友愛眼科ではそうした不安を軽減できるよう、レンズの位置修正が術後3年間無料、さらにレンズ交換も半年以内であれば無償という保証制度を設けています。

一方で、「乱視がどこまで矯正できるのか」が気になる方は一定数いらっしゃいますが、実際にお問い合わせとして多いのは費用や術後の経過に関する内容であり、乱視矯正に関する質問はそこまで多くない印象です。

とはいえ、適応の可否や見え方への影響は非常に個別性が高いため、事前にしっかりと検査・診察を行い、不明点は遠慮なく相談いただけるような体制を整えています。

ICLにおける乱視矯正の費用・保証・支払い方法

手術を視野に入れるうえで、相場や費用の内訳、保証制度の有無は事前に把握しておきたいところです。ICLは自由診療のため、費用の内容を理解しておくことが納得感につながります。

ここでは、手術にかかる費用の目安や含まれている内容、保証制度の特徴までを整理して解説します。

ICLでの乱視矯正の費用相場と内訳

ICLにおける乱視矯正の費用は、両眼でおおよそ50万〜80万円が目安とされています。乱視の有無によって大きな差が出ることは少なく、通常のICL手術と同様の価格設定を行っているクリニックもあります。

費用には、術前検査、レンズ代、手術費、術後検診費などが含まれることが一般的です。ただし、強度の乱視や海外製の特注レンズを使用する場合などは、追加費用が発生するケースもあります。

費用の詳細が事前に明示されているかどうかは、治療を受けるうえでおさえておきたいポイントです。

保証期間中に受けられるサポート内容

ICL乱視手術は自由診療であるため、術後のサポート体制や保証内容はクリニック選びの重要なポイントです。多くのクリニックでは、術後の経過をサポートするための保証制度を導入しています。

八王子友愛眼科では、手術費用に術前〜術後の検査・ケア・保証がすべて含まれており、両眼で62万円（税込）〜と明確な料金体系を採用しています。術後サポートも充実しており、半年間は術後検診・点眼薬などの費用が無料、万が一のレンズ交換も6ヶ月以内であれば無償です。

さらに、乱視用ICLを使用した場合は、レンズの位置のずれ（軸補正）に対して1年間無料で再手術を受けられる保証付き。これは他院に比べて比較的長めの保証期間であり、安心して術後経過を見守れる体制が整っています。こうした包括的なサポートも当院の大きな強みの一つです。

ICLについてもっと詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
手術の流れや費用、よくある質問など、わかりやすくまとめています。

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ICLでの乱視矯正に関するよくある質問

ICLにおける乱視矯正を検討する方の多くが、手術中の感覚や術後の視力の変化、生活上の注意点など、さまざまな不安や疑問を抱えています。

ここでは、よくある質問をもとに、判断材料となるポイントをQ\&A形式でわかりやすく解説します。術前の不安を解消し、一歩踏み出すための参考にしてください。

手術後、乱視は残る？

ICLでの乱視矯正では、トーリックレンズを使って乱視を矯正しますが、術後に乱視が完全になくなるとは限りません。特に乱視軸のわずかなズレや、目の形状による個人差によって、軽度の乱視が残ることもあります。

ただし、術前に精密な検査を行いレンズの度数や軸を適切に設定することで、多くの場合、日常生活に支障のないレベルまで視力を上げることが可能です。

もし術後に気になる残存乱視があれば、レンズの位置を修正するなどの追加処置も視野に入れます。

手術では痛みがある？

ICLでの乱視矯正は点眼による局所麻酔を使用するため、強い痛みを感じることは基本的にありません。まぶたを固定する器具に違和感を覚えることはありますが、痛みと感じる方は少ないようです。

術後には軽い異物感や充血が数日続くことがありますが、通常は1週間以内に落ち着きます。痛みに対する感じ方には個人差があるため、不安を感じる場合はあらかじめ医師に相談しておくと、精神的にも落ち着いて手術に臨めます。

術後すぐに視力は回復する？

多くの方は、手術直後から数日以内に視力の改善が実感できます。ただし、視力が安定するまでには個人差があり、特にトーリックレンズを使用する乱視矯正では、レンズの位置が定着するまでに数週間を要することもあります。一時的にぼやけを感じやすいですが、時間の経過とともに落ち着く方が多いです。

定期的な検診で異常がなければ日常生活への復帰も比較的早く、安心して術後の生活を送れます。

ICLでの乱視矯正と通常ICL手術の違いは？

通常のICL手術は近視や遠視の矯正が目的ですが、乱視を伴う場合は「トーリックレンズ」と呼ばれる専用レンズを使用します。トーリックレンズは乱視の軸に合わせて設計されており、より高精度な検査と位置調整が必要です。

そのため、乱視用ICLでは術前の検査や計画段階での正確性がより重要です。手術手順そのものは大きく変わりませんが、術中の調整や術後のケアにおいては乱視特有の配慮を必要としています。

手術後の生活で気をつけることは？

手術後のレンズを安定させるため、生活面ではいくつか注意しなくてはいけません。特に術後数週間は、激しい運動や頭を下げる姿勢（前屈・うつ伏せなど）を避けるようにしましょう。

また、目を強くこすらない、洗顔や入浴時に目に水が入らないようにするなど、日常のケアにも配慮しましょう。異常がなければ徐々に普段の生活に戻れますが、医師の指示に従いながら慎重に行動することが視力の安定につながります。

まとめ｜ICLを使用した乱視矯正で後悔しない選択を

ICLを使用した乱視矯正は、角膜を削らずに乱視を矯正できる治療法として注目されています。とはいえ、すべての乱視に適応できるわけではなく、正確な検査と専門的な判断が必要です。

また、レンズの回転や術後の合併症といったリスクについても事前に理解しておくことが肝心です。手術の流れや保証制度、費用の内容をしっかり把握することで、不安や誤解を減らし、納得のいく判断がしやすくなります。

まずは信頼できる専門医に相談し、適応検査の受診から始めましょう。八王子友愛眼科では、ICLがあなたに最適かどうかを検査でしっかりチェックしています。無料の適応検査は、電話またはLINEのいずれかお好きな方法で、簡単にご予約いただけます。