【医師が解説】ICL手術後の不安を減らす保護メガネの使い方と選び方


ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を検討されている方で、「手術後に保護メガネは本当に必要なの?」「いつまで着けていればいいの?」といった疑問や不安を抱かれる方が多くいらっしゃいます。見た目や使い勝手が気になりつつも、大切な目をしっかり守りたいという気持ちもあるでしょう。
この記事では、ICL手術後に保護メガネの着用が推奨されている医学的な理由をはじめ、着用期間の目安や日常生活で気をつけたいポイントについて、専門的な視点からやさしく解説します。手術を受ける前に知っておくと安心できる内容をまとめました。
目次
ICL術後の保護メガネはなぜ必要か

ICL手術後に保護メガネの着用をすすめられると、「本当にそこまで必要なの?」と戸惑うでしょう。たしかに見た目や使い勝手が気になることもあるかもしれませんが、着用には医学的な根拠があります。
術後の目は外的刺激に敏感な状態にあり、感染リスクを減らすためにも物理的に目を守ることが大切です。まずはその役割を正しく理解しておきましょう。
ICL術後の目が感染しないようにするため
ICL手術では、眼の中に小さな切開を加える処置が行われます。手術後しばらくの間は、その切開部分が完全にはふさがっておらず、目の表面は非常にデリケートな状態です。この期間は、空気中のほこりや細菌、さらには手で目に触れてしまうことで、感染が起こりやすくなります。
医師が保護メガネの使用をすすめるのは、目をしっかり守る必要がある大切な時期を安心して過ごしていただくためです。保護メガネは、こうした外的刺激から目を守る物理的なバリアとして役立ちます。特に術後数日間は、無意識に目をこすることもあるので、保護メガネの着用で感染リスクが軽減できます。
ほこり・風・手の接触から目を守るため
ICL手術のあとは、目は非常に敏感な状態です。特に外出時は風に舞うほこりや花粉、人の手との接触など、思わぬ刺激が加わる可能性があります。そうした環境から目を守るために役立つのが保護メガネです。満員電車や屋外の活動では、他人との距離が近くなることもあり、目の周りをふいに触れられる場面も考えられます。
保護メガネは、目の周りを覆うような設計になっており、一般的なメガネやサングラスに比べて防御力が高いのが特徴です。すべての場面で装着が必要というわけではありませんが、刺激を受けやすい場面では積極的に取り入れることで、安心して日常生活を送れます。
ICL手術の仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

保護メガネは「おまけ」ではない
「保護メガネはあくまでオプションだから、自分には必要ないかも」と感じる方も少なくありません。しかし実際には、ICL手術後の目を安全に守るため、医師の判断に基づいて着用がすすめられている大切なケア用品です。特に術後1週間はまだ目に小さな傷が残っており、無意識のうちに触れてしまったり、異物が入ったりすることで感染のリスクが高まる期間です。「おまけ」や「念のため」と軽く考えてしまうと思わぬトラブルを招く可能性もあります。
保護メガネは一時的な装着で済むものですが、術後の回復をサポートするうえで重要な役割を果たします。医師の説明をよく聞き、ご自身の生活に合わせて使用しましょう。
ICL術後の保護メガネの着用期間とタイミング

ICL手術のあとは、保護メガネを「いつまで」「どのような時に」着ければいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。日常生活に取り入れるうえで、使い方の目安がわかると安心ですよね。
医学的に推奨される着用期間や、外出・就寝などのシーン別の活用タイミング、負担なく取り入れるための工夫もあわせてご紹介します。
着用は最低1週間、理想は4週間
ICL手術後の目は、切開部分が完全にふさがるまで外部刺激に敏感な状態が続くため、感染予防として保護メガネの着用が推奨されています。
一般的に目安は術後1週間で、この間は就寝時に必ず装用してできるだけ仰向けで眠りましょう。うつ伏せは避け、外出時も必要に応じて保護用メガネの着用をおすすめします。
特に最初の数日は長時間の装用が望ましく、目の安定を考えて4週間程度の着用をすすめる医師もいます。着用期間は回復状況や生活環境によって異なるので、検診時に相談して判断することが大切です。
就寝中や外出時の着用を推奨
保護メガネの着用が特に有効とされるのが、就寝時と外出時です。睡眠中は無意識のうちに目をこすってしまうことがあり、これが術後の傷に影響を与える可能性があります。保護メガネの着用で、こうした思わぬ接触を防げます。
また、外出先では花粉やほこり、風、人との接触など、目に刺激を与える要因が多くなりがちです。混雑した電車や風の強い日は特に注意が必要です。
日常生活の中でも、こうした場面では保護メガネをうまく取り入れることで目の負担を減らし、術後の回復をより落ち着いて過ごせます。
日常生活での使い方
保護メガネの着用は、日常のあらゆる場面で目を守るものとして役立ちます。たとえば通勤時の人混みや職場の空調、家事中のほこりなど、予想しにくい場面で目に刺激が加わることがあります。外出時はもちろん自宅で掃除や料理をする際など、目に何かが飛ぶ可能性があるシーンでは着用を意識すると安心です。
ただし、常に着けていなければいけないわけではなく、刺激の少ない環境では外しても構いません。医師の指示に従いながら、無理のない範囲で取り入れるのが継続のポイントです。保護メガネを「生活の中の一時的なサポート」として前向きに捉えることで、ストレスを感じずに過ごせるようになります。
ICL術後の生活で気をつけたいこと

ICL手術のあとは、目の回復を助けるために日常生活で注意すべき点がいくつかあります。特に、洗顔やスキンケア、仕事や運転の再開時期は、術後の経過に応じてタイミングを見極めるのが大切です。ライフスタイルごとに押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
洗顔・洗髪・メイクの再開タイミング
ICL手術直後の目は、わずかな刺激にも敏感な状態です。そのため、洗顔や洗髪などで水や洗浄剤が目に入るのを避ける必要があります。一般的には、洗顔や洗髪は術後2日目以降が目安です。目の周りを避けたスキンケアは術後3日目以降から可能な場合もありますが、アイメイクやベースメイクは術後1週間ほど控えるのが無難です。
こうした制限があると不便に感じるかもしれませんが、目の回復を守るためには一時的な配慮が欠かせません。保護メガネの活用で、誤って目元を触れてしまうのを防ぐことにもつながります。
仕事や運転の再開時期
ICL手術後の仕事復帰や運転の再開タイミングは、目の回復状況やライフスタイルに応じて無理なく判断していくことが大切です。一般的には、デスクワークであれば術後2日目から再開できることが多く、体調と相談しながら少しずつ日常生活に戻るのがよいとされています。
一方、運転は視力の安定や光の見え方への慣れが必要なため、職種によって異なりますが一般的には1週間以降の再開を推奨しています。夜間運転も含めて翌日の検診時に医師とよく相談し、総合的に判断するのがよいでしょう。
どちらの場合も、目に過度な負担をかけないよう慎重に判断するのが、術後の安定につながります。
カラーコンタクトやまつ毛施術
カラーコンタクトレンズやまつ毛パーマ、エクステなどの美容施術は、術後しばらくは控える必要があります。これらは目の周囲に直接影響を与える可能性があるため、術後のデリケートな時期には避けたほうが無難です。目安としては、手術から1ヶ月ほど経過し、医師の検診で問題がなければ再開が検討できます。特にまつ毛への施術は、接着剤やまぶたへの刺激が加わるので、慎重な判断が必要です。
おしゃれの一環として日常的に取り入れている方も多いと思いますが、目の回復を最優先に考えたスケジュールで、トラブルを防ぎながら過ごしましょう。
ICLの術後の注意点について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

ICL後の不安とよくある誤解

保護メガネの必要性は理解できた方も、次に「市販のメガネで代用できるのかな」「どこで購入すればいいのだろう」と気になる方も多いでしょう。そんな疑問に医師の視点でわかりやすくお伝えします。
保護メガネはどこで買う?価格は?
保護メガネの購入先は、医療機関のほか、市販の通販サイトや眼鏡専門店でも取り扱われています。価格帯は数百円〜数千円と幅がありますが、選ぶ際には「顔にしっかりフィットするかどうか」が重要なポイントです。
また、クリニックによっては術後ケアの一環として保護メガネを支給・販売しているところもあります。どれを選ぶか迷ったときは、医師のアドバイスを参考にすると、安心して使用できる製品に出会えるはずです。
八王子友愛眼科では、ICL手術をされた方に保護メガネを無料でお渡ししています。術後の目をしっかりと守るためのアイテムですので、患者さんの眼の安心を得られるものを選定しています。
サングラスや花粉メガネで代用できる?
見た目や使いやすさの面から、「市販のサングラスや花粉用メガネで代用できないか」と考える方も少なくありません。たしかに手に入りやすく、おしゃれなデザインも多いですが、代用には注意が必要です。これらの製品は医療用として作られていないため、目のまわりをしっかりカバーできなかったり、フィット感が不十分だったりする場合があるからです。
保護メガネは、術後の目を物理的に守るための構造が施されており、接触や異物の侵入リスクを抑えるよう設計されています。代用を検討する場合でも、事前に医師へ相談しておくとよいでしょう。見た目だけで選ばず、安全性を重視した判断が大切です。
保護メガネは絶対に必要ではない?
実際には、すべての方に同じ対応が求められるわけではなく、目の回復状態やライフスタイル、日常の環境によって必要性は異なります。医師の判断のもと、「この方には必須」「このケースなら限定的でOK」といった柔軟な対応が取られるケースもあります。
ただし、特に術後1週間ほどは、無意識に目を触ってしまったり、異物が入ったりするリスクが高まるので、多くのケースでは着用が推奨されるのが一般的です。一律ではなくご自身に合った対応ができるよう、事前に相談できる環境を整えておくとよいでしょう。
適応検査で保護メガネについて確認しよう

ICL手術を検討する段階では、保護メガネの必要性や着用期間について不安や疑問を抱く方も多くいます。適応検査は単に視力を測るだけでなく、術後の生活やケアについても医師に相談できる貴重な機会です。検査時に確認できる内容や、安心して手術に臨むためのポイントを紹介します。
ICL手術前に不安なことは伝える
ICL手術の適応検査では、視力や目の状態を確認するだけでなく術後の過ごし方についても相談できます。「保護メガネはいつまで必要?」「寝るときも着けるべき?」といった具体的な疑問は、この段階で遠慮なく尋ねておくのが理想です。日常生活で不安に感じていることを医師やスタッフに伝えておくと、自分に合った現実的な治療計画を立てやすくなるからです。
また、クリニック側もライフスタイルや考え方を把握することで、術後の説明やサポートをより丁寧に行えます。不安を抱えたまま進めるのではなく、気になる点は検査時にしっかり伝えることが、納得して手術を受けるための第一歩です。
術後の過ごし方まで説明してもらう
適応検査を受ける際には、術後の過ごし方についても説明があるかを事前に確認しておきましょう。洗顔や入浴のタイミング、仕事復帰の目安、保護メガネの使い方などは、術後の生活に直結する重要なポイントです。これらを丁寧に案内してくれるかどうかは、信頼できるクリニックを選ぶ際の目安の一つです。
八王子友愛眼科では、適応検査の段階から術後の注意点やケア方法まで詳しく説明し、患者さまが不安なく手術を迎えられるようサポートしています。どこまで寄り添った対応があるかを知っておくことで、術後の戸惑いも減らせます。
安心して手術に臨むためにも、検査の段階で生活全体を見据えた説明があるかも確認しておきましょう。
検査当日の流れ
- 所要時間のご案内
- 視力・眼圧・眼底のチェック
- 必要に応じて医師との面談・相談
八王子友愛眼科での適応検査は約1時間で、所要時間の案内に始まり、視力や眼圧・眼底のチェック、必要に応じて医師との面談や相談の時間も設けられます。
八王子友愛眼科では、検査前に流れや注意点を丁寧に説明し、納得して臨める環境を整えていますのでご安心ください。事前に情報を把握しておくことで、当日も落ち着いて検査を受けられ、気になる点も遠慮なく相談できます。


よくある質問
ICLの術後は、保護メガネの必要性や洗顔のタイミング、コンタクトやメイクの再開時期など、気になることがいくつも出てきます。こうした疑問は、日常生活に直結するだけに、事前に確認しておきたいものです。
よくある質問に医師の視点からお答えし、術後を安心して過ごすために知っておきたい情報をわかりやすくまとめました。
ICL後、保護メガネは誰でも必要?
保護メガネが必要かどうかは、目の回復具合やライフスタイルによって変わります。ただし、術後1週間ほどは、感染や外部からの刺激に対して特に注意が必要な時期です。そのため多くの場合、保護メガネの着用がすすめられています。
なかでも、就寝中や外出時など無意識に目を触れやすい場面では、目を守るための予防策として積極的に活用することが望ましいです。
保護メガネは医療機関でしか買えない?
保護メガネは医療機関で提供されるケースもありますが、市販品も入手できます。ただし、製品によってはフィット感やカバーできる範囲が異なるので、術後の目をしっかり守るには医師の判断に基づいた選び方が大切です。診察の際に相談すれば、自分の目やライフスタイルに合った保護メガネを選ぶためのアドバイスが得られるでしょう。
ICL後いつから洗顔できる?
洗顔は、ICL手術の2日目から再開できます。その後1週間は水や洗顔料が目に入らないよう十分に注意しましょう。また、まぶたを強く擦ったり、押したりしないようにしてください。
術後すぐの目は非常に繊細な状態なので、医師の指示に沿って、清潔を保ちながら無理のない範囲で対応していくことが大切です。
夜だけの着用でも大丈夫?
目の状態や術後の経過によっては、夜間だけ保護メガネを着用すれば十分と判断されることがあります。ただし、手術から数日間は感染リスクが高いため、外出時などの日中も着用したほうがよいとされるケースも多くあります。医師の説明をもとに、ご自身の回復状況に合わせて着用のタイミングを決めましょう。
コンタクトやメイクはいつからOK?
カラーコンタクトやアイメイクは、ICL手術後しばらく控えるのが一般的です。再開の目安は術後1週間〜1ヶ月程度で、目の回復具合を見ながら進めていきます。特にまつ毛パーマやエクステなど、目元に直接触れる施術は影響が大きくなります。検診の際に医師に相談し、安全を確認してから再開するようにしましょう。
まとめ
ICL手術後の保護メガネは、目を外的な刺激から守るために、着用をすすめるクリニックがほとんどです。特にデリケートな時期の術後1週間は、就寝時や外出時に使用すると安心でしょう。洗顔や仕事復帰など、生活面の注意点も事前に知っておくと落ち着いて過ごせるはずです。
八王子友愛眼科では、ICL手術を検討されている方向けに無料のカウンセリングと適応検査を実施しています。手術の流れや術後の過ごし方、保護メガネの選び方まで、専門医が丁寧にご説明します。不安や疑問は検査時に気軽にご相談ください。
ご予約はお電話またはLINEにて承っております。
八王子友愛眼科は、医療法人社団インフィニティメディカルが運営する3つのクリニックのひとつです。グループには、八王子友愛眼科・武蔵野友愛眼科・湘南友愛眼科の3院があります。 ICLの無料適応検査は、八王子友愛眼科に加えて湘南友愛眼科でも実施しています。ご希望のクリニックまで、お気軽にご連絡ください。 八王子友愛眼科 ※ICL無料適応検査 実施中 〒192-0081 東京都八王子市横山町22−3 メディカルタワー八王子 6F ▶Googleマップで開く 湘南友愛眼科 ※ICL無料適応検査 実施中 〒254-0012 神奈川県平塚市大神8丁目1−1 THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA 1214区画 ▶Googleマップで開く 武蔵野眼科 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1丁目24−15 メディパーク中町 4F ▶Googleマップで開く |



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ICL指導医資格(STAAR Surgical認定)
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日本眼科手術学会所属
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日本白内障屈折矯正手術学会 所属
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日本眼科学会認定 眼科専門医
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杏林大学医学部眼科学教室非常勤講師
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日本涙道・涙液学会理事
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日本眼科学会プログラム委員
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南多摩眼科医会副会長
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